⑪ 太陽を否定する者

 

■アスラとユダヤ人
古代のインドにおいて、十六大国時代と呼ばれた時代があり、それぞれが太陽崇拝と月崇拝に分かれて争っていた、というのは以前述べた。それぞれどの国がどちらだったのか、ということは明白になっていないようだ。しかしインドにやって来た(というのが定説になっている)アーリア人が月信仰だったのは疑いない。それはシヴァがソーマナータ=月の王という異名を持っていることや、ソーマ酒を飲む慣習があったこと等から明白である。しかしここで一つ強調したいことは、月信仰にも二種類あったということだ。一つは純粋に月を崇拝する立場であるが、もう一つは反太陽信仰からの月信仰という立場である。前者はアーリア人であり、後者はクル族ではないかと私は思う。
クルという国は現在のカシミール辺りに存在したと思われ、CRESCENT(三日月)の語源になったことからも月信仰側なのは明白であるが、彼らこそがアスラだったのではないか。アスラという語はアフラ・マズダーのアフラが変化したという定説が出来上がっているが、ASURAという綴りは、SURAに否定のAが付いた形である。SURAは太陽だから、それに否定のAが付けば「反太陽・太陽を否定する者」という意味になる。それ故に三日月をシンボルにしたのではないか。つまり純粋な月信仰ではないだろう。そして牛の角はその形が三日月に似ているので、(三日)月信仰と角(牛)信仰は同居しているケースが多い。よって牛を崇拝するアーリア人が三日月信仰を持っていたのであり、彼らのそれは純粋な月信仰だったと思われる。まとめると、クル族がアスラであり、反太陽から三日月をシンボルにしていた。アーリア人は牛を崇拝するので角の形と似ている三日月を崇拝していた。いつの間にかそれが混同されて、両者を同一だとする誤解が生まれた。
クル族がカシミールを拠点とするのであれば、肌の色は白かったはずだ。カシミールはユダヤ人の痕跡があると言われ、イエスの遠征伝説もある。ユダヤ人というのは要するに肌の色が白い排外的な民族であるので、彼らが色の黒いインドの土着の人々を蔑み、太陽信仰に反旗を翻し、三日月をシンボルにして戦いを挑んだ、というのが真相だろう。
ユダヤ人の行う「過ぎ越しの祭」があるが、これはニワトリの頭を切って軒先にぶら下げる。これはニワトリが太陽の到来を告げる鳥であり太陽信仰のある意味シンボルであるから、その首を切って軒先にぶら下げるという、ある意味悪魔崇拝的な発想からだろう。彼らはその切り落とした首を自らの崇拝する邪神アブラクサスの頭部にして悦に入っているのだ。正に「太陽を否定する者」である。結局インドのアスラはクル族でありユダヤ人でもある、と結論づけてよかろう。それゆえに、インドではカーリー/ドゥルガーが牛の姿をしたアスラを三叉戟で殺すが、牛=龍で、龍はクルである。

■シヴァの女王
サンスクリットにおいて、語尾がAで終わるものは男性名詞、Iで終わるものは女性名詞のはずである。それはDEVAが男神を意味し、DEVIが女神を意味することからも確かである。実際、神の名前を列挙すればそれが事実だとわかる。クリシュナ、シヴァ、ブラフマー、ラーマ、ガネーシャ、スカンダ、カールティケーヤ、インドラ、バララーマ等、男神はみな語尾がAで終わっている。またサラスヴァティー、パールバティー、サティー、ラクシュミー、カーリー、ミーナークーシー等、女神はみな語尾がIで終わっている。
ここで一つ疑問を呈したいが、多くの神が持っている「異名」であるが、これが男性名詞と女性名詞の法則に則っていないケースが多々見られる。例えばシヴァの異名にはソーマナータやパシュパティがあるが、前者はAで終わるのに対し後者はIで終わっている。またパールバティーの異名にはウマーがあるが、これはAで終わっている。こういう基本法則を無視した異名が数多く存在するので、サンスクリットで男性名詞と女性名詞の厳密な区分は行われていないようだ。しかしこれらが全て混同によるものであり、元々は男性と女性の区分があったとしたら、どうだろうか。特にシヴァのパシュパティは「獣の王」という意味であるが、語尾がIで終わるため女性名詞であるとすると、その意味は「獣の女王」ということになり、であれば「獣の女王シヴァ=シヴァの女王」ということになる。
古くからシヴァの女王はどこにいたのかということが議論され、インドのシヴァ神がその候補に挙がることもあったといい、シヴァが男神だから当てはまらないと結論付けられてきたようだが、パシュパティが「シヴァの女王」を意味するなら、これに関しては再考の余地があるといえる。またシヴァは体に火葬場の灰を塗っているが、以前述べたように塗らなかったらその肌は白いのかもしれない。そして体に灰を塗っている女であれば、これは「灰かぶり」であるから、つまりシンデレラである。シンデレラの説話は多数のパターンと類型があるが、元はシヴァの女王を表したものかもしれない。

■サタンとは何か
インドの神には、語尾がAとI以外で終わるものもある。例えばヴィシュヌはUで終わるし、ハヌマーンはNで終わる。私はこれらも、パターン化できると思う。ヴィシュヌがUで終わるのは、マヌ法典のマヌつまり最初の人間が同様にUで終わるので「根本原理」を表すと思う。またハヌマーンは猿の神であるから人間ではなく、選民思想の代表であるバラモンもNで終わるので、これは「人間ではない」ものが語尾Nで終わると思う。
SとHは入れ替わるが、秦氏のHATAも場所によってはSATAになるはずである。それに「人間ではない」語尾Nが付けば、SATANつまりサタンである。秦氏のルーツがどこにあるか、その痕跡がインドにあるのか、明白ではないが、彼らがユダヤ人であるならば、それがサタンであるから、冒頭に述べた「太陽を否定する者」が正に悪魔であると集約できるのである。

(2016/06/27)