3月 312013
 

インドのことを紹介した本はいろいろあると思う。僕自身はインドへ行ったことはなく、その知識はすべて本によるものだ。だから本を読んでインドのことを知る上で、一つとても大事なことがある。せっかくだから、それについて書いておこう。

仏教のルーツは、言うまでもなくインドだ。そして日本は仏教国だ。だから寺の坊さんがたくさんいて、彼らはインドのことを本にいろいろ書いている。けれど彼らは『仏教にとって都合の悪いことは書かない』という重大な欠点がある。これはハッキリ言ってものすごく重要なことだ。
インド学の権威といえば、中村元がいる。彼はたしか寺の生まれではなかったと思う。彼の全集というのがあって、ものすごく分厚いのが何十冊もセットになっていて、全部読むのにどんだけかかるのか、というレベルの量だが、僕自身もちょっとしか読んだことはない。だから彼の著述の立場がどうだったのか、僕は知らない。
とにかくインドの本を読む上で、『坊主の書いたものには気をつけろ』というのは、ここで強調しておきたい。彼らはインドにとって仏教が悪い影響があったことを隠すし、他の要素がどう影響を与えたかも隠すことがある。じゃあどんな本を読めばいいのか、ということだけど、これは「寺と無関係な生まれの人」が書いた本を読め、と強調したい。
日本は漢字文化の国だから、漢訳仏典や漢字文献を読むのに一日の長がある。漢字は表意文字だから、他の言語圏の人よりも多くの意味を得ることができるはずだ。けれどそういうアドバンテージを悪用してるんじゃないかなあ、とまで思ってしまうことが、僕はある。
具体的に「すごく良い本」を一冊紹介しておこう。「とんぼの本」というシリーズの「インド神話入門」という一冊だ。これは僕が大学を卒業した10年ちょっと前に、卒業後最初に読んだ本だ。書いたのはカメラマンの人で、普通の生まれゆえ、何のバイアスもかかってない視点でいろいろ書いている。絵や写真も豊富で、ある程度知識がある人が読んだら、それが整理されてなるほどと思うはずだ。『九耀(スールヤ)』の説明をしてるのも珍しい。またクリシュナ神話とダビデ神話の類似性に言及しているのもポイントが高い。

僕はあくまでもただの学部卒だが、隅っこの小さな事物をゴチャゴチャ弄って自己満足してる自称研究者の輩たちの書いた本より、ず~っと役に立つ、とレコメンドしておこう。

 

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