4月 062013
 

SAVIORという英単語があって「救世主」と訳される。これは見ればわかるが「SAVE」から来た言葉だ。インドの三大神のうちヴィシュヌは、その職能が「維持」であるとされる。インドというのは最悪の制度であるカースト制が根本原理となった国だが、その制度を「維持」するのがヴィシュヌであると、そういうことになっている。そしてその色は白い。「維持する=SAVE」だから、「維持する者」は、SAVIORとなってしまう。そしてこの単語は救世主という意味だ。インドのカースト制の中で、死ぬまで終わらない、そして生まれ変わってつまり輪廻転生しても終わらない差別をずっと受け続けている人々がいるのに、なぜそれを維持する者が救世主なのか。これがまずおかしい。
SOS信号というのがあるが、これは「SAVE OUR SHIP」の頭文字である。この場合のSAVEは「救って下さい」である。いや、実際には『水の中から』であるから、「掬って下さい」だろうか。ここでは、SAVEという単語が、たしかに救世主と同じ意味で使われている、つまりここでは「SAVEする者=助けてくれる者=SAVIOR」という意味で使われている。
この世の中には様々な弱者や差別を受けている人々がいて、そういった人たちを助けることをせず、この世の中をそのまま「維持」しようとするならば、それは強者の論理というか、支配者の論理(という他ない)である。そしてそれをしてくれる『自分たちにとっての、自分たちの望みを叶えてくれる』神のことを、SAVIORつまり救世主と呼んでいる者たちがいるのだ。だから、その単語は別の意味では維持者であると、そういうことだ。

輪廻転生思想というのがそもそもの諸悪の根源で、これがインドを「永遠の後進国」足らしめていると言っていいだろう。至極簡単な話だが、もし「人生は一度きり」だと思っていたら、たった一度の人生なのだから、その中で精一杯生きようと思うし、また理不尽な差別を受けていたら、その社会構造を改善しようと努力し、子孫のためにより良い社会を築こうと努力するだろう。しかし「生まれ変わったら別の身分に生まれ変わって、もっといい暮らしができるようになるかもしれない」と思うなら、どんな最悪な社会制度でもそのまま放置し、子孫のために世の中を改善しようとは思うまい。そして実際に、インドは何千年もその現状のままである。

冒頭に述べたように、インドの最高神ヴィシュヌが『維持者』と『救世主』の意味を同時に持つ職能を持っていることが、インドの最大の不幸であり、最大のカラクリだろう。あくまでもSAVIORは「維持者」であり、「救世主」ではない、のだ。

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