それでも地球は回っている

本ウェブサイトを一覧してもらえればわかる通り、俺は飛行機が好きだ。ずっと昔まだ小学生だった頃、当時本屋によく売っていたポケットサイズの「○○大百科」というシリーズの中に「軍用機大百科」という本があって、それは飛行機の中でも軍用飛行機つまり戦闘機や攻撃機を写真付きで紹介している本だった。その本を親に買ってもらいたくさんの戦闘機の写真を見ているとものすごく興奮し「かっこいい!!」と思った。当時はテレビの「○○ロードショー」とか映画を放映する番組においてしばしば世界の戦闘機を紹介するプログラムが放送されることがあり、それを観ている時もやはりものすごく興奮した。とにかく「ものすごくかっこいい」と思い、それ以来飛行機(軍用機)がとても好きになった。

「航空ファン」「エアワールド」とか「丸」とかの航空(軍事)雑誌をその後頻繁に買っていたが、俺が中学生の頃に「F-19ステルス戦闘機」というのがよく話題になった。謎のベールに包まれたアメリカの最新鋭戦闘機で「レーダーに映らない」というのでかなり話題になっていたが、その実際の姿を見た者は誰もおらず、想像図として頻繁に画像が紹介された。それは「レーダーに映らないようにするためには機体を丸くする」という前提で描かれたものだったと思う。というか俺のような素人は「丸い機体ならレーダー波が反射しないからこうなってるのか」と単純素直に思ったし、多分世界中の人たちは全員そう思っていたはずだ。

その少し後、何の機会だったか忘れたがアメリカがステルス戦闘機の実機写真を公開した。そしたら皆驚いたが、丸い機体の正反対で角ばった機体だった。現在「F-117Aステルス戦闘機」としてよく名前を聞くあれだ。多分世界中の飛行機ファンが皆驚いたしもちろん俺も驚いた。いやだって「丸い機体ならレーダー波が反射しない」とみんな言ってたのに実際には「角ばった機体ならレーダーに映らない」ってのはどういうことなんですか、話が違うじゃないですか、と世界中がビックリした。この件について当時の航空雑誌に「今までステルス機は丸い機体をしているというのが定説だったのは実際の機体をカムフラージュするための情報操作だったのか」とか書かれてたのを覚えている。確かにSR-71は丸いフォルムをしているし、あれの発展系として皆例の画像を想像してたはずだ。F-117Aのステルス理論とかは俺はわからんが、とにかくそれ以来「ステルス=直線的」というイメージが定着したような気がする(多分)。B-2も直線的だしF-22も直線的だし、逆にロシアのSu-27は曲線的なフォルムをしているがステルス性が無いと言われている。そんなわけで、正にコペルニクス的転換という感じで俺の中学時代にステルス騒動(?)は一段落した。

話は変わるが、数年前から闇金融の話題が頻繁に取り上げられる。(日本の)夕方のTVニュースを見てると一時そればっかりやっていた。けれど闇金の話題が持ち上がる直前まで、TVの特に夕方のニュースで連日やっていたのは「マーキング」というやつだった。あれはつまり訪問販売の奴がマンションやアパート等の集合住宅へ来た際に、その家(部屋)の扉付近に意味不明&奇妙なマークを描き記していくというものだ。マーク(記号)を見ても何のことだか誰も意味がわからず、住人は気持ち悪いとか不気味だとか皆言っていた。番組内のコメントでは「訪問販売員が家(部屋)の住人の情報を後続の仲間に伝達するための独自の記号では」と言っていた。

歴史の本には「胡散臭い系の本」があるのは以前書いたが、それ系の本には「サンカ(山窩)」を扱ったものが大変多い。俺もそういうのは見かけたら読む方で、まあ大抵の本は三角寛の著作に拠る内容だろうが、中には興味深いことを書いているものもある。
以前読んだそういう本に「サンカは『符牒』というものを使っていて、仲間にその地域の情報を伝達するためのもの」と書いてあった。サンカというのは漂泊民として認知されていて、山の中を漂泊しながら箕作り等をしているとどの本にも書いてある。そういう漂泊の過程でどこかの村や集落に立ち寄った際、そこの情報例えば住民の性格とか何が盗み易いとか仲間への注意事項とかを後続のサンカに伝達するため、地面や樹木などに仲間内だけで通じる記号(符牒)を描く文化を持っている(いた)、とのことだった。
基本的に「漂泊民=常民の逆」みたいなイメージがあるが、現実としてそういう言わば不可触な存在に関して正確に全部わかっている者はいない。もしいてもそんなのを公表することはしないし出来ないので、今でも尚そういう存在である人々は謎のままだ。よってその代表としてサンカ(山窩)の名が挙げられてもそれに関してさえ正確なことは誰も知らない。俺の印象としては日本という国はいろいろな部族の集合体だと思うので、常民にもいろんな種類があって漂泊民にもいろんな種類があって、それは某団体の研究者でも認めるところだが、そういうのの一つとしてサンカというのがいたのかもしれない。その名前ばかりが異常なほど取り上げられて漂泊民の代名詞になっているが、もちろんこういうのも冒頭で述べたステルス同様何かのカムフラージュかもしれないし多分そうだろう。
ちなみに「山窩」という語は元々警察用語で「山の窩(あな)」という意味だそうだが、奈良時代頃の文献に「クグツシサムカ(傀儡子山窩)」という言葉が出てくるという話もある。幾つかの本屋に売ってる本を読んだ限りでは、「サンカ(山窩)=常民の逆=漂泊民の総称」みたいに結構強引に一括りにしたがってるような感じがするが、ここまでこの語が有名になったのはやはり三角寛が戦前にサンカ小説というのを流行らせたかららしい。俺は当時まだ生まれてなかったしその辺の詳細は知らないが、五木寛之の小説にもそういうのはあったし、やはり「不可触で知られざる存在」への関心は誰でも持っていてそれを題材にすると興味を惹くものだ。

そして興味深いことに、海外の漂泊民であるジプシーも全く同様の文化つまり符牒を持っている(いた)そうだ。彼らは現在でも「物を盗む」としてマイナスイメージを持たれているようだが、元々漂泊してどこかの町や村などに入った際、後続の仲間に情報を伝達する目的で同じように記号を描いていたという。こういうのを聞いて「じゃあジプシーとサンカは元々同族で西と東に別れたんだ」と思う者もいるが、そういうのを「短絡的で歴史にロマンを求めている」と考え「どこにでも似たようなものは現れるのだ」と言う者もいる。どっちが正しいのかはわからないし真偽を証明する手段も無い。ただ「自分が理解出来ない」とか「そんなのあるわけがない」と考え、否定する根拠も無いのに何かを否定するのは更におかしい。最近「トンデモ」という語が市民権を得て普通に使われるが、そもそもこの語を普及させた何某は何かを否定する根拠を持っていないように見える。「可能性」が0%というのは逆に殆どあり得ないので、何に関しても推定無罪的な態度で接するのは基本であり重要であると強く言っておきたい。

話を現在の訪問販売のマーキングに戻すと、こういう記号は昔からある符牒=一種の暗号と同様であって、じゃあ何故同様の発想が関係無いところに現れるのかといったら、現在の訪問販売をやってる連中が所謂サンカ等の不可触な存在と関係があるのかもしれない。言うまでもなくこんな商法をやってるのは胡散臭い連中なので、もしかしたらあるかもしれないとは言えるだろう。しかしその真偽を証明する方法は無いし、もしかしたら全然違う深遠な意味で描いてるのかもしれない。ひょっとしたらそのマークは宇宙人の文字で、プレデターみたいに姿が見えないのかもしれないのだ。つまりわからないことなんて世の中にはまだまだ腐るほどある。一説によれば、昆虫は地球の生命の歴史上突然現れるので、隕石にくっついてきた宇宙生命体だと言う者までいるのだ。もしそうだったら俺たちが学校で習ってきたのは全部間違いで、F-19(の想像図)とF-117Aがまるっきり違う形をしててみんな驚いたのと同様に「いや聞いてた話と全然違いますよ」ということが起こるかもしれない。

とまーここで結局何が書きたかったのか結論すると、ベルヌーイの定理つまり飛行機の飛ぶ原理が覆されるかもしれないという話をインターネットでちょっと読んだからだ。「飛行機の翼面が上面は膨らんでて下面は平べったい」というのは俺も知ってるが、高校時代理系科目のテストで0点を10数回とった俺にはベルヌーイ理論の説明なんて不可能。けど何となくわかっているつもりだ。要するに「流速の速い遅いで圧力が変わる」って話だろ?とにかくこれが100年ぶりだかで覆されるかもしれないという話で「水道から出ている水に手を近づけると水が曲がって手の表面を流れる」ことから説明出来るとか何とかそんな説みたいだが、もはや因数分解さえ忘れた俺には理解不能だ。けどそんな感じで「人類の定説」になってることでも覆されたら面白いし、ず~っと昔のイタリアで「それでも地球は回っている」と言った(らしい)人の例もあるので、この説を唱えた人=デビッド・アンダーソン氏が世界中を平伏させてほしいなーと思っている。ウェゲナーだってフロイトだってシュリーマンだって最初は気違い扱いだったんだから、やっぱり「結果オーライ」なのだ。というわけで俺もそうありたい。

[2008/12/20]

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