あの日、空が紫色に染まった

ずっと好きな女の顔が、今も思い出せない。
ただシルエットが脳裏に浮かぶのみ。そして着ていたあの服と。
宇宙を駆ける列車の乗客のように「青春の幻影」として、ただ。
記憶の囚人、思い出の囚われ人。
若かりし青春の日々の、美しき幻影。
その佇まいはまるで白百合の如く。
 

「思い出は美しすぎて」って何の歌の歌詞だっけ。
ホラ男は名前をつけて保存で、女は上書き保存っていう、アレ。もっとも俺の場合は名前をつけて保存してZIP圧縮してパスワード保護までしてるけど、向こうはそもそも新規保存すらしてないかもね。
冷酷(cruel)なのは常に女。女々しいのは得てして男の方。
青春の幻影・・・メーテルは「いつか私が帰ってきて、あなたの傍にいても、あなたは私に気が付かないでしょうね。私は、あなたの想い出の中にだけいる女」、同じ時間を繰り返してそこに戻ってきても、彼女は「あなたは誰なの?」「もう一つの人生で、君がよく知っていた男だよ」と。
そして僕たちは踊る。

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